平面いぬ。 (集英社文庫)平面いぬ。 (集英社文庫)
(2003/06)
乙一

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2003年度作品
作者・・・乙一


  乙一作品「夏と花火と私の死体」に続き、ニ冊目です。本作は4本の短編小説が収録されていますが、どれも傑作揃いです。とてもスラスラ読めてしまいました。では、一作品ずつ感想を。


 「石ノ目」・・・
いわゆる人を石にしてしまう能力を持つメデューサ話。ミステリ色を残しながらホラームード漂う密室劇。

 「はじめ」・・・
学校内で罪を犯してしまった少年が罪のなすりつけに適当に作った空想上の人物‘はじめ’(女の子)。しかし、はじめは徐々に頭角を現し始め、幻聴、そして幻覚まで現れ、一人歩きしてしまうというホラータッチなドラマ。でも後半は心に残るシッカリした素晴しい話だな~と感無量に。

 「BLUE」・・・
ひょんなとこから意志を持って生まれてきた縫いぐるみのお話で乙一版「トイストーリー」といった印象。五体あるのだが、そのうちの一体、BULEは残り布などからして生み出された見た目が悪いがとても純粋な心を持つ主人公。他の4体は五体満足出来で段々と隠れイジメがエスカレートし・・・。子供達に語り継がせたいほどの名作童話だと思います。

 「平面いぬ。」・・・
タイトルのインパクト大ですね~!彫師目指す中国の女性に運命的に出会い、彼女にタトゥーを入れてもらうことになる女子高生。犬の刺青(名はポッキー)はなんと驚くことに彼女の皮膚の上で動き始める(ただし、瞬きした瞬間)。ラストは舌を巻くほど上手いなぁと唸らせてくれます。



 どの作品も懐かしさが漂い、現実と空想の見事なハーモニーで心満たしてくれます。単純な終わり方をしないエンディングの上手さ(オチ)も超一級品でスラスラ読めるので是非オススメですよ!



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