映画「くそガキの告白」

2011年度作品
日本 / 94分
監督・・・鈴木太一
役者・・・今野浩喜、田代さやか、辻岡正人、今井りか、仲川遥香、北川ひろし、高橋健一、石井トミコ










映画「くそガキの告白」
ヤっバイ!
久しぶりにとても感動するいい作品に出会いました。
特に事前情報なく、DVDパッケージの裏のあらすじ見て、
おもしろそーだなっていうその場のノリで借りたのが本作。
あと、今開催中、行きたかった ゆうばりファンタスティック映画祭 の触れ込みもあって、その雰囲気を少しでも味わいたかったのもあり、ほんと軽~い気持ちで借りたんですね
見事にカウンターパンチ!
見てびっくりしました
役者の感情の起伏がビシバシッとこっちまで届いてくる!
特に終盤の二人の掛け合いが凄まじかった!
園監督の「ヒミズ」の感情のぶつけ合いを彷彿させる濃厚人間ドラマに、マジ泣きしましたよ。
*あらすじ*
30歳を過ぎても映画監督を夢見ながら下っ端映画スタッフとして半ニート暮らしのブサイクで傍若無人な主人公が、撮影現場で出会った売れない女優の卵と繰り広げる奇想天外な物語を赤裸々かつ力強く描く。
簡単にハショると 売れない女優に恋をする映画監督志望の冴えない男 の映画。
はい、ハショり過ぎですね。
とにかく登場人物二人が物凄く濃いんですよ。
男(ダイスケ)、低予算ホラー映画の冴えないメイキング担当。
自分の顔が大嫌いでトラウマになっている。
親の脛かじって生活する映画監督を夢見る冴えないニート30歳。
対するのは女(モモコ)は、学生の頃見た自主映画「ラブゾーン」に救われ女優を目指している。
事務所に所属しているも25才になっても一向に日の目を浴びる気配なし。今回の映画も後から入ってきた親友がアッサリ主役をGET。そして自分の役は幽霊F役。
突然、発狂グセあり。
冒頭、ダイスケが屋上から飛び降り自殺をしようとするところで、幽霊メイクが施されたモモコが見つけ話しかけます。
幽霊?というかゾンビ心得レッスンシーン のくだりから引き込まれてノンストップで楽しむことができました。
決して成功者ではない、どちらかというと負け組の二人。
序盤の出会いからまさか衝撃のラスト、
お互いの気持ちをとある方面にストレートにぶつかっていく様に見ていて震えました!
本編は衝撃的、そして宣伝方法にも注目ですっ!
監督、どうやって配給に宣伝するのかわからず作品を映画祭へ送るも落選。
が、夕張ファンタで審査を通り、見事四冠獲得!!
その後、全国14都道府県、ニューヨークや韓国で上映へ至る。
宣伝も監督を筆頭に自主的告知。24時間ビラ配り(監督いわく自己表現)、自ら率先してアクション!
その士気、凄いと思います。今後見習いたいと思います。あと役者に芸人さん、グラドル、アイドル、ミュージシャンと多方面でキャスティングしていく辺りも巧いやり方ですね。
ちなみに一番の見所のラストシーンはキャスト含めてみんなの話し合い結果で生まれたシーンだそうです。凄っ!
作品、見ていて思った。
はたして自分が映画という媒体を使って描きたいテーマはなんなのだろうか?
見ている観客の心に触れる映画をシッカリ演出出来ているのだろうか?
まだまだ学ぶべきところがたくさんあります。そして次回作の脚本作りの参考になりました。
監督・脚本を務めたのは、これが劇場デビュー作となる新人・鈴木太一監督。
演出力に圧巻です。
ストーリーの転がし方もとっても上手いです。
役者さんも上手く、感情が画面越しに伝わってきました!
埼玉県北本市の ご当地映画 でもあり、
監督の半自伝的映画「くそガキの告白」、
心に刻まれる一本、名作です!とてもオススメです!
予告編
『くそガキの告白』ありがとう2012
インディペンデントリズム