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2012年度作品
著者・・・誉田哲也
全384ページ


 深いお話でした。



 タイトルが幸せの条件 」 ということで、第一印象、人間ドラマかな?

 と最初思ったのですが、描かれるテーマは 農業 です。




 かなり読み応えのある作品だと思います。

 二日でアッという間に読み終えてしまいました。





*あらすじ*

 新燃料・バイオエタノール用にコメを作れる農家を探してこい!突然の社長命令を受け、片山製作所・伝票整理担当の梢恵は、縁もゆかりもない長野の農村へ。

 ところが行く先々で「コメは食うために作るもんだ。燃やすために作れるか」と門前払い。

 さらには農業法人「あぐもぐ」の社長・安岡に、「まずは体で一から農業を知れ」と一喝され、これまで興味も知識も皆無だった農業に取り組むことに。そこで初めて農家が抱える現実を思い知るが…。





 会社で自分の居場所がない、そもそも全然頼られない ・・・。



  そんなことを日々、痛感しつつもダラダラ生きてきた、ダメダメ24才のヘタレヒロイン梢恵が、

 突然、社長に武者修行よろしく、「 契約取るまで帰ってくんなよ 」と現地へ飛ばされます。



 とても興味深く読ませてもらいました!

 ページをめくるごとに、そんな彼女と共に 農業 の実態を知ることができます。





 そう言えば今は引退しているのですが、自分の父方の祖父は元農業(米作り)に従事してました。トラクターとか稲刈りとかも見た記憶が薄っすらあります。
 
 幼少期によくそこの田んぼへ行き、毎回カエルを触ってブツブツ(発疹)できたりと、自然を楽しんでいましたね。

 懐かしい!



 
 さて、本作ですが、

 特に印象的だったのが、日本の食糧自供率についてのお話。

 何でも簡単に外国に頼らず、日本で作って日本で消費するのが一番いいと思うのですが、

 実際その農作物を作っても、そのうちの数十%は廃棄されてしまうとの事...。



 これっておかしいと思いませんか?



 それは単に輸入商品の方が安いから。

 そんなことで、食べられるものも、無残にも捨てられてしまう、っていうのもなかなか胸の痛いお話です。




 でも、確かにスーパーなどで野菜を買う時、真っ先に目が行くのは悲しいかな値段。だいたい同じものがあれば、必然的に安いものに手が伸びてしまう現実。

 一概に 国産がいい とは言い切れないところもあるけど、この作品を読んでから

 少し高いお金を出してでも、いいものを買うという選択肢もアリかな と感じました。


 


 農業体験をしつつも、心の持ち方も考えさせられる場面も多々ありました。

 中でも、

 主人工の会社の 嫌味過ぎる社長 が、けっこう良いこと言います。


大切なのは、誰かに必要とされることなんかじゃないんだ。本当の意味で、自分に必要なのは何か……それを、自分自身で見極めることこそが、本当は大事なんだ


 響きますね!




 この「幸せの条件」を読んで、今までの農業者のイメージが少し変わりました。



 奥深いです。



 基本的な農業の知識もつくし、問題になっている原発問題についても触れらえているし、読んでタメになる小説、とてもオススメです!






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