映画「誰も守ってくれない」

Nobody to watch over me
2008年度作品
108分 / 日本
監督・・・君塚良一
脚本・・・君塚良一、鈴木智
出演者・・・佐藤浩市、志田未来、松田龍平、石田ゆり子、佐々木蔵之介、佐野史郎、津田寛治、東貴博、冨浦智嗣、須永慶、掛田誠、水谷あつし、伊藤高史、浅見小四郎、井筒太一、渡辺航、佐藤裕、大河内浩、佐藤恒治、長野里美、野元学二、菅原大吉、西牟田恵、平野早香、平手舞、須永祐介、山根和馬、浮田久重、柄本時生、ムロツヨシ、青木忠宏、渡仲裕蔵、阿部六郎、積圭祐、木村佳乃、柳葉敏郎
主題歌・・・リベラ:『あなたがいるから』
キャッチコピー → 殺人犯の妹となった少女と彼女を守る刑事の逃避行が始まる──。












描いている テーマ が気になっていた本作、レンタルして見ました。
とてもメッセージ性が伝わってくる作品でした。最近好きです、こういうの観客に投げかけてくるの!
*あらすじ*
ある日突然、未成年の長男が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕されてしまった船村家。両親と15歳の妹・沙織は状況も分からぬままマスコミの好奇の目に晒され、激しいバッシングに追いつめられていく。
そんな中、刑事の勝浦は容疑者家族の保護という任務を命じられる。さっそく保護マニュアルに則り所定の手続きが進められ、三人別々に保護するため、同い年の娘を持つ勝浦が沙織を担当することに。
しかし、沙織を匿おうと懸命に手を尽くす勝浦だったが、マスコミはその度に居場所を嗅ぎつけ執拗に沙織を追いかけ回す。やがて勝浦は、東京を離れ、ある場所へと向かうのだったが…。
オープニング、かなり重要なシーンですがスローモーションにリベラの歌が乗るとても印象的な演出。
そして、曲が終わるとそこから妙にリアリティのあるドキュメントタッチで物語が展開していきます。
もう、これは掴みバッチリです!
この作品は、被害者側ではなく、加害者目線(厳密には加害者の家族)より物語が描かれていきます。
ちなみに主人公は、その家族の娘をマスコミから隠す刑事さん。
アッ という間に、天国から地獄へ突き落とされる一つの家族。
少なからず、フィクション描写もあると思いますが、なかなかリアリティがありました。
突然、大人数の警察が家にドタバタ入ってきて、
「とりあえず、離婚してください。名前は奥さんの旧姓に戻ります。」
まず、「は!?」 って感じです。
勿論、離婚する意味もシッカリあります。
気が気でない状況の中、そういった書類関係を全て終え、家を出ます。
出るやいなや物凄い数のマスコミのパパラッチ行為が目前に迫ります。
更に住民のヤジが飛び交います。
外はもう戦場。
後半はネット掲示板の住人による伝染力の脅威が描かれます。
執拗な非難・誹謗中傷が瞬く間に世間に広がっていきます。
もう、いつ、どこで見られているかわかりません。
卒業写真とか、家族の情報とか、家の住所とか提示版に次々書き込まれていきます。
人って恐い。
精神的に参る立場の方の気持ちが、ヒシヒシ と伝わってきました。
見ていて苦しいものがあります。
話は変わりますが、
被害者と加害者の関係。
難しいです。
被害者の家族にも矛先が当たります
その気持ち、分からなくもないです。
でも、こういう状況の時は、はたして何が正解なのだろうか?
映画を見ながら、何度も何度も瞑想しました。
でも、答えは一概に出ませんでした。
とにかく、やるせないです。
日夜、テレビで報道される 殺人事件。
この映画を見たことで、また一つ見方が大きく変わりました。
生きていく とはどういうことなのか?
終盤の主人公の刑事 勝浦の名ゼリフ抜粋
「 誰かを守るってことは、その人の痛みを感じる ってことだ。人の痛みを感じるのはとても辛い。苦しいことだ。・・・でもな、それが生きていくということなんだよ 」
深っ !!
おすすめです 「誰も守ってくれない」!
予告
主題歌: リベラ『あなたがいるから』