短編映画「揺れるスカート」

2013年度作品
20分 / 日本
監督・・・岡元雄作
脚本・・・岡元雄作
出演・・・針金ちづる、有元由妃乃、緑茶麻悠、木口健太、三河悠冴、泉 光典、松本高士、池田洋介、カノユースケ、吉田圭佑、鯰江りこ




短編映画 「揺れるスカート」 がヤベェ!
札幌国際短編映画祭の「ワケあり!秀作オフシアター」にて鑑賞しました。
実は本作、以前YouTubeでこの作品の予告編をチラっと見て、少し気になっていた作品。
*あらすじ*
女子高生の彩夏は金銭と交換に下着を見せる遊びをしていた。
しかしそれだけでは飽きたらず、より面白い遊びを追求し始めると、それが大きな問題へとなって行く。
とにかくこの作品、
役者の演技
映像クオリティー
脚本
が同プログラム上で流れた作品と比べると、ケタが違いました。
もう、久しぶりに 痺れた短編映画 です。
まず、脚本の練り込み具合が素晴らしい。
特に目を引いたのは、
ちまたで話題の、課金アプリゲーム
と
語り継がれるハムレット。
この二つの 引用 が、とにかく圧倒されました。
そういう見方も出来るのか?
そういう出し方があったのか!
と 、とにかく驚いた。
ただ、たとえ優れた脚本でも、
それを演じ切じる俳優、
そしてそれを見せる技術&演出が劣っていれば、
その力も払拭されてしまうのが、残念なことに自主映画の現実です。
でもこの映画、全編に渡って
無駄のないカット割りに映像編集、
全く素人臭さが感じさせないんです。
描いているネタは刺激的(安っぽいとも言う)ですが、とても見やすい作風なんです。
さて本策はほんと、手に負えないヤツばっか出てくるのですが、妙にリアリティがありました。
特に圧巻だったのがこの話で要とも言える
悪の三人衆、リーダー格の女の悪女ぶりが半端なかった!
目付き、喋り方が 「まじコイツ、無理」 ってくらい
パッと見、「渇き。」の小松菜奈並の存在自体が嫌悪オーラがプンプンしてますw
その行動・言動は理解出来ないし、見ているだけで腹立ってくる。
でもね
彼女なりの 真 がシッカリ通っているのか、反論出来ず、妙に憎めないです。
そんな彼女が主犯格となって先生がハマっているアプリゲームの課金システムをモチーフに男子学生から 金をバンバン巻き上げる のですが、
終盤、彼女自体はお金困っていない ということが判明!
ということは、遊びの為にこの発想の転換をしたということなのか?
もし、そうだとしたら彼女は筋金入りの 天才型 です。
これは、悪役の中でも一番タチの悪いタイプ。間違っても敵に回しちゃダメな奴ですね。
将来、変な道に走らなければ間違いなく出世コースw
反対にゲームに溺れる一部、性に溺れるおバカな男子学生。
そんな中にも異彩を放つ一人の男子がいました。
この正統派!?イケメンが良かった。
その子(悪女)が単純に好きで、嫌々そのゲームに参加。
課金するはするも、報酬を自ら断ります。
で、そこからの ハムレッーーーート!
ハムレットが来ます!
詳しくは本編を是非!
忘れた頃にハムレット!
そこで来たのか!ハムレット!
旨すぎるよ、ほんと!
公開されている予告編にこのくだりが一切ないので説明出来ないのですが、見事過ぎるハムレットオマージュでした。
当初見た個人的に、予告編の印象、
「安売り変態エロ映画」 のレッテルが、
いざ本編を見ると、彼方へブッ飛んで行きました!!
意外や意外に 今日の社会派メッセージ も含みつつ、
久しぶりにもう一回見たい! と唸らせる短編映画。
監督・脚本・編集を兼任しているのは岡本雄作監督。
エンドクレジット、全体的なクオリティから相当数なスタッフが関わっているのかと思いきや意外と少人数で驚きました。
個人的な印象としては、
園子温監督の刺激的なテーマの選択、
吉田恵輔監督の脚本の練り込み具合を持ち合わせた逸材、
次回作、 超期待の監督さん になりました!
「揺れるスカート」 、 オススメです!
予告
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