
2007年度作品
53分 / 日本
監督・・・林一嘉
主演・・・宮嶋麻衣、林一嘉、金刺健太、森田真澄、平野瑶貴、樋口豊志、金子弘樹、塚本晋吉、松井卓巳、David Mazzucchi
キャッチコピー ➡ 殺意が悲しみに変わると、人間を愛せるのは、何故・・・


愛知県出身の映画制作を開始して6年、作品数21作目の林一嘉監督の中編映画 「核、弾頭」 を鑑賞。
林監督と言えば「岸辺町奇談」。レビューはこちら。
本作は知る人が知る、 “ 観客の、観客による、観客のための自主映画祭 ” インディーズフィルムフェスティバル、最後10回目のグランプリを獲得した作品です!
間違いなく、 面白いです。
*あらすじ*
大切な母が殺され独り絶望に落とされた娘のチハル。
母を殺した男、コウセツに復讐を誓い、コウセツを捜し 急接近。
しかし復讐のタイミングを逃し、チハルとコウセツは奇妙な共同生活を始める。
殺意の見えないコウセツと行動を共にしているうちに、チハルの復讐心が変化しはじめる・・・。
冒頭、少女が手すりに掴まって 悲鳴混じり絶叫 から物語がスタートします。
私的に 少女と一匹狼のおじさん の図が、
リュック・ベッソン監督の「レオン」を思い起こさせました
ココだけの話、個人的にこっちの方がとてもシックリ来ました。
林監督作品、毎回見て思うのですが、選ぶ女優さんのセンスが素晴らしい!
主演の少女役はこの作品出演後、NHKドラマなどに出演することになった宮嶋麻衣さん。
影のある雰囲気、ふとした瞬間(特に絵を描いてもらう場面)にのぞかせる 笑顔 が最強!
その相手役の一匹狼を演じるのは、なんと 監督ご本人。
今回、監督の他にもいろいろと兼任しております。
・脚本
・撮影
・編集
・美術
・殺陣
・演技指導
この作品のDVDに収録されている監督インタビューはとても共感出来る内容ばかりでした。一部抜粋。
「自分にしっくり来る映画作品がないから、自分が作ってやるぞ、て話。」
「 ‘ 楽しい ’ 、プラス ‘ そうか!自分もこうしない ’ と思えるものが、いい映画だと思う。」
「皆が共感するものであり、強く教訓になるものが理想。」
なぜ自ら出演するのか?テーマについては、
「自分の脚本なら自分が出演する。作品は自分自身だから、常に自分を背負っている。他の人だって、人生の主役は自分である。自分を愛せないと他人だって愛せない。」
また、
「作った分だけ自分も進化していくから、作品制作は止められない。昔に描いた夢を実現していくのが人生の楽しみ方だと思う」
言動が、ビシッと迷いなく、 かっこいいですね!
林監督最高です!
さて、 演出面 で興味深かったのが、
少女目線
↓
男目線
↓
少女目線
と橋渡しをしていくストーリー構成が、とても作品的に いい効果 を上げていましたね。
更に、 場所 にスポット当てる演出。
同じ場所を何度も使い、 オーバーラップ で過去と現在を表現する手法はとても関心しました。
あと、私的に肩車のシーン、すっごく見ていてほっこりしました。
中編映画 「核、弾頭」 オススメです!
予告
ロング予告
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