映画「恋のプロトタイプ」

2014年度作品
84分 / 日本
監督・・・中村公彦
脚本・・・中村公彦
出演・・・櫻井拓也、星咲優菜、阿部隼也、堀有里、杉原憂、原田祐輔、米本千晴、山本宗介、原彩咲、世志男、柳東史、倖田李梨、津田篤
主題歌・・・CLipCLover 「タカラモノ」
キャッチコピー → "仮想"(バーチャル)でも"現実"(リアル)でも 恋は、せつない









DVDのビジュアルパッケージ
と
"仮想"(バーチャル)でも"現実"(リアル)でも 恋は、せつない
という気になる キャッチコピーに惹かれ、 手に取ってみた作品。
とっても、良かったです!
テーマを追求した脚本の突き詰め感が素晴らしい!
ちなみに本作の監督、 中村公彦 監督はこの作品が 長編デビュー作 。
撮影期間は 8日間 だそうです。
*あらすじ*
彼女いない歴23年のフリーター・心平の唯一の生きがいは、恋愛シミュレーションゲーム"ラブ:プロトタイプ"(通称ラブプロ)のCGキャラクター"沢口アオイ"との疑似恋愛。
ラブプロは、"お気に入りの女の子と過ごす日常"をテーマにしたゲームで、恋人同士になってからもプレイは続いていき、誕生日や旅行などのイベントがリアルな時間に連動して発生する。女の子の性格や言動も、プレイヤーの言葉やアクションによって変化していく。
バイト中にアオイとの会話に夢中になり、クビになってしまった心平は、 ラブプロの新作の購入資金を稼ぐためコンビニで働くことにする。
そこで大学生の美郷こずえと最悪の出逢いを果たし、入店早々ケンカ。そして、こずえにフラれた河本義男に心平がラブプロを教えたことから、それぞれの感情が波打ち始める――
本作は、簡単に言ってしまえば
恋愛シミュレーションゲームにハマる青年を中心に巻き起こる、恋にまつわる お話。
私的には、
「携帯彼女+」の恋愛ゲームにハマってしまう説得力ある人間描写
と
「くそガlキの告白」の20代のリアルな青春像
を足したようなバカバカしくもあり、時にシリアスな心情を描いた作品。
以前似た系統の洋画「her/世界でひとつの彼女」がありましたね。日本映画ということ、そして好き嫌いにもよりますが、自分は圧倒的にこちらの方が好きですね。
序盤、最新3DSゲーム「ラブ:プロトタイプ」の仮装彼女にハマる主人公の描写に、
「The キモオタっ!」 という感情を抱きつつも、
ゲームという二次元だから得られる擬似恋愛 の楽しみ方に、
「なるほどな 」 と感じました。
ところで、今のDSは声に反応するんですか?すれ違い通信とか超ハイテクだ
ところがどっこい、
そんなゲームオタに 彼女 が出来てしまいます。
しかも巨乳で、ビジュアル良しと来タ!!
普通、こういう展開だと、
ゲームで培った知識は所詮現実では通用しなかった・・・。これからは真面目に頑張ろう!
という定番展開になるかと思いきや、
ゲームで培った知識が意外と主人公を 持ち上げ 、彼女側から 惚 れさせる美味しい思いをします。
↑主人公、気づいていないのが憎いw
恋愛ゲームで培ったものを 自分なりの哲学 として堂々と使う。しかも「ゲームの受け売りかもしれないけど」って自分で暴露w
なんかその潔さ良さ、 いいですね!
そんなこんなで、 ハッピーエンド に持っていくかと思いきや、まさか ・・・ 。
本作は、現実問題の話、
二次元 と 三次元 の根本的な違い、
肉体があるなし にスポットが当てられます。
この描写はここでは単純にエロで表現。
何気にRー15指定だったので身構えていたものの、けっこう ハード でしたねw
ただし、最後まで通して見て思ったのは、
このテーマには この描き方 は物語上必要 だったかなと感じました。
「君ね、人には誰だって、言いたくない過去があるだろ」
↑ 良い感じで使われています
それぞれの 過去を嫌な部分 を描きながらも、物語は結末へ。
これまた上手い誘導の仕方で、感動しました。
映画本編の内容に関してもそうですが、今回 恋愛擬似ゲーム の可能性について勉強になりました。
こういう ゲーム製作側の裏にある知られざる想い が描かれると、一概に 「たかがゲームなんて」 バカには出来ないですね。少し擬似体験に対しての見方が変わりました。
そして自分でも驚いたのですが、 エンディングで泣けた 。
黒バックの白文字のシンプルな 定番エンドクレジット に、
そこに CLipCLover さんの「タカラモノ」が流れます。 ← すごく良い曲。映画終わった後のDVDのトップ画面で曲リピートされるので、ついつい付けっぱなしにしてしまいました。
映画見終わった後も、
脳裏にこの映画の 残像 がチラチラ残る。
B級映画 も大好きだけど、
こういう観客に疑問を投げかけ、記憶に残る作品もたまにはいいですね!
ちなみに本作は 青春H というシリーズ 41 作目。
企画は娯楽TV。
なんのことない 青春 と H という二つにテーマを基盤に作られた作品です。
まったく眼中になかったので、他に40作品以上もあるので、少し興味が沸きました。
※ただ残念ながらこの青春Hシリーズは42作目で一旦シリーズの休止が決まったとのこと。残念。
映画「恋のプロトタイプ」 、
二次元 と 三次元 の恋愛を分かりやすく、そして深く追求している映画。
あなたの見方がもしかしたら変わるかもしれません 、おすすめです!
予告