
2017年度作品 / 約18分
監督:片岡翔
出演:村川緋杏、金子学(声)、森レイ子、匁山剛志、古田結凪、村田正樹





第14回札幌国際短編映画祭で私的にとても感動した短編映画 「バイバイ、ホーホ」 がまた見たくなった為、収録されている情報を知りHKT48のアルバム「092 (TYPE A)」を購入した。
1回目は劇場鑑賞。
2回目は自宅鑑賞。
初見は流石に周りの目もあり、目が潤む程度でセーブを掛けましたが、自宅という解放された環境という事もあり感情がダダ漏れ、序盤から切ない楽曲が入ってくる度に涙線に来て、黒バックでクレジットが流れた瞬間、嗚咽に近い感情を味わった。
むちゃくちゃいい!
もともと片岡翔監督のファンタジーテイストが大好き&影響を受けており、毎年札幌国際短編映画祭に出品される片岡監督作品(札幌出身だそう)が見れるこの映画祭が楽しみであり、今年が本作「バイバイ、ホーホ」であった。
改めて18分という限られて時間の中で、 ここまで感情を揺さぶるドラマ が作れること、リアルとファンタジーの境目だったり、伏線だったり、音楽の入れ方だったり 完全度の高さ に改めて恐れ入った。
尚初見時にクレジットに秋元康、製作に東映という日本人なら誰もが目にしたことがあるネームバリューのサポートに驚いた訳だが、鑑賞後に本作を調べてみるとHKT48の各メンバーと監督48人がコラボして短編映画を撮りその本編をCDの特典に付けるという企画で制作された作品ということ知った。
アイドルに関してはほぼ無知。HKT48と言われても指原莉乃さんくらいしか顔と名前が一致しない。
ちなみにこのaタイプに収録されていた他の11作品も興味本位で鑑賞しましたが、趣味趣向も関係しているとは思いますが私的に 「バイバイ、ホーホ」 がぶっちぎりに面白かった!痒いところに手が届くくらい正に見たい世界であった。
さて主演の村川緋杏さん、勿論この映画で初めて知った名前(緋杏と書いてビビアンと読むそうです)と顔でしたが、演技経験者ではなく、ほぼ初出演と知り更に驚きました。
初見、アイドルという前情報がない真っさらな状態で見たのもあり 若手役者さんかな? という立ち位置、エンディング頃にはもう完全に女優としての風格に圧倒された訳でありますが、後程HKT48所属と知り、ギャップに驚いたことは言うまでもない。
今回役柄的に困り顔、悲しむ表情が8割だったので、笑顔を全面に出した作品とかも見てみたい。なんていうかオーラというか、表情の作り方が演技には感じられず、作品の中で確かに役として存在 していた。←役者、最大級の褒め言葉である
比較対象としてはアレなんですが、他の収録作品ではセリフの意味をちゃんと理解していない状態で喋っていたり、聞いていてとても無理をしている感、言ってしまえば顔と言葉とちぐはぐな演者さんが多い中、、村川さんは完全に役を自分のものとして演じ切っていた。
さて肝心な作品の内容ですが、簡単に説明すると指人形ならぬ片手がすっぽり埋まる手人形のフクロウが喋るファンタジー作品。
「んなアホな!」
とまずはツッコミを入れたくなること必須。
そーなんです!
そう観客に思わせるところも演出という憎い演出です。
学校は不登校、自部屋は空想物に溢れかえっており、小物や家具、ミニテント、特にパジャマの下が人魚姫の尾ひれ、←相当頭の中ファンタジーw
また10年前に父が家を出て行き、母は新しい相手(主人公にとっては父親)を紹介される場面があったりと家庭環境もそうならざる得ない要素が小出しにされる。
この部分、一歩間違えれば 痛い人確定 なだけあって、ちゃんと説得力ある見せ方をしているのだ(ちなみに監督、美術も兼任)。
この後の展開はネタバレになるので詳細は書きませんがラストシーンの意外性、切ない感情、そして主人公を応援したくなる気持ち、いろんな感情が集約され感極まりないエンディングを迎える。
改めて作り方次第で、たった18分でここまで深いところまで描けるんだと感動した。
普段のレビュー記事はとても気に入った作品、しかも長編映画がほとんどですが、、この作品は絶対手元に置いておきたいと同時にこの場に残して置きたいと思いました。
是非、気になった方はHKT48のアルバム 「092 (TYPE A)」 を購入してください。
「バイバイ、ホーホ」 とてもオススメです。
「092」トレーラー
札幌短編映画祭 Hokkaido トレイラー
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