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著者:辻村深月
出版社:講談社
ページ数:520



 ザックリ言うと、不思議な力を持った少年が、幼なじみの女の子を救おうとする話

 辻村深月さんと言えば昨年衝動買いした「かがみの孤城」を休憩なしの一気読みしてしまうくらいとにかく感情を大いに刺激させられた作者さん。当時のレビューはこちら


 本作はテーマは [復讐]


 主人公は小4男子、ある日風邪で学校を休み、担当であるうざぎの朝ご飯をやる事が出来ないが為に、同じ当番のふみちゃんに電話でお願いをする。

 うさぎ小屋に向かうふみちゃんは犯人とすれ違い、うさぎ達の変わり果てた姿と対面、その日を境に感情が欠落するふみちゃん。


 少年は言葉(言霊)で他者に意識的に操る能力の持つ家系、

 『Aをしなければならない。そうしなければBになってしまう』 特別な声を使って言うことで相手にAとBを選ばせ強制的に縛る「条件ゲーム提示能力」

 その特殊能力が物語に大きく影響をもたらしますがその設定も本編でしっかりと解説され、なにより人間が描かれているのでオカルトじみた話にならないところが凄いのだ。






 ちなみに能力がなくても、言葉というものは人を動かすことができる。

 その一言が人を簡単に傷つけ、たった一言で救うこともできる。





 大切な人を傷つけられたとき、自分だったらどうするだろうか…。





 のちに捕まる犯人は親のコネで医療関係の大学に通っている大学生と判明。ウサギは物扱いとなる為、器物破損で軽い刑に処せられる。

 中盤同じ能力者の先生が登場。どうすれば犯人を懺悔させることができるのか?をテーマにレクチャーを受けることになります。ここ感情をぐわんぐわん持っていかれた。




 とにかく男子小学生10歳の葛藤が物凄いのだ。

「もし、あの時うさぎ当番に行っていれば彼女はあんなことにならなかったのに」

 ピュアだからこそ、自分に責任があると悩み、絶対に正しい選択を導き出そうともがき苦しみます。




 能力を使って犯人を死なす事は簡単。それがいい解決策にはならないのは明白、相手を同じ身に合わせたところで解決にならないし、犯人の性格上、気持ちを入れ替える可能性はとても低い。なによりもふみちゃんがそんなことを望んではいないのだから。じゃあ何が一番の解決策なのか?



 タイムリミットが迫る中、復讐とはなにか。
読んでいてとても目頭が熱くなった。読み進めながら少年がどういう決断をするのかが気にかかり、夢中で読み進めた。

続きが気になる方は、是非実際に手に取って読んで欲しい。分厚さが気にならないくらいページをめくる手が止まらなくなる。





[なぜ人は泣くのか]

 こちらもピックアップされていた。

 人は他人のためには泣けない、他人を思った行動も結局は自分のため。人は利己的で傲慢な生き物。

 だけどその根本にある、誰かを思う心はきっと愛であり、その行動は誰かを救う力となりうる。

とても心を抉った。





 本作を読みながら特に後半、自身も を流した。

 この涙はなんなのか 、とても価値のある涙だと思い、一層この作品が愛着が湧いた。




 とにかく圧倒される描写力!読んで損なし、本当におすすめな一冊 「ぼくのメジャースプーン」










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